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田中功起:質問する - その1 2009–2013
¥2,090
国際的な現代美術シーンで活動するアーティスト・田中功起が、アート界の前線で活動する人びとに問いを投げかけ、立場の違いを越えてメールで意見を交わす。 質問する - その1 2009–2013 著者:田中功起 発売日:2013年7月10日 言語:日本語 ページ数:360 pp サイズ:186x119 mm(ペーパーバック) 映像記録、インスタレーション、パフォーマンス、執筆といった多様なアプローチによって、人と人との「協働」に焦点をあてるアーティスト、田中功起。2009年にウェブマガジン『ART iT』上で田中の企画によりスタートした公開往復書簡が、初の単行本化。異なる背景を持つ他者同士の対話や共同作業を通して「いかに共に生きるか」を思索してきた田中が、アート界の前線で活動する人びとに自ら問いを投げかけ、率直に意見を交わします。ゲストに迎えたのは、美術批評家の土屋誠一や2020年に森美術館館長に就任した片岡真実など、国内外のアートシーンを牽引する8名。メールという親しみやすい形式のなかで、立場の違いを越えて議論を深めてゆくやりとりから、「つくること」「見ること」「作品」に関する重要なキーワードが浮かび上がってきます。 書籍化にあたり、2013年のヴェネチア・ビエンナーレで日本館に初の特別表彰をもたらした田中と、キュレーター蔵屋美香との特別対談を追加収録。また、同ビエンナーレにて印象的なポスターを手がけたデザイナー森大志郎によるコンセプチュアルな造本も光る、充実の1冊です。 【コンテンツ】 ◆ 土屋誠一さんとの往復書簡:「展覧会という作法」を乗り越えることはできるのか。 ◆ 成相肇さんとの往復書簡:制作と作品と展覧会の関係とはどのようなものか。 ◆ 保坂健二朗さんとの往復書簡:美術(家)の「内側」と「外側」をどうとらえるか。 ◆ 冨井大裕さんとの往復書簡:「見る」という行為が「作品である」ということに近づくとき、「作品」とはなにか、アーティストはなにをしているのか。 ◆ 沢山遼さんとの往復書簡:批評になにができるのか。 ◆ 林卓行さんとの往復書簡:制作の予定調和は回避できるのか。 ◆ 片岡真実さんとの往復書簡:どのように日本のアートを捉え直すことができるのか。 ◆ 西川美穂子さんとの往復書簡:どうすればほんとうに「風が吹けば桶屋が儲かる」のか。 ◆ 対談|田中功起×蔵屋美香:「大きな出来事」のあとで – 文脈の読み替え/等価な経験/共有と継承 【著者略歴】 たなか・こおき アーティスト。1975年栃木県生まれ。ロスアンゼルスを拠点に活動。 無意識に人びとがとる振る舞いに隠された意味や、ある限定された状況における人びとや動物の反応への興味をもとに、映像や立体、絵画や写真、テキストやコラボレーション、パフォーマンスを中心とした制作活動を展開する。 近年の主な国際展にミュンスター彫刻プロジェクト(2017)、ヴェネチア・ビエンナーレ(2017)、リヴァプール・ビエンナーレ(2016)など。
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Creativity Seen/Unseen in Art and Technology A compendium of media art performance from YCAM: 2003-2008
¥3,850
メディアアートの創造性を見出し、世界に発信し続ける複合文化施設、YCAM。 オリジナルプロダクション33点を収録し、その活動を紹介する初の記録集。 Creativity Seen/Unseen in Art and Technology A compendium of media art performance from YCAM: 2003-2008 編著:山口情報芸術センター[YCAM]、アートイット 発売日:2011年3月31日 言語:日本語、英語 ページ数:240 pp サイズ:236x177 mm(ハードカバー) 2003年11月の開館以来、メディアテクノロジーと身体をめぐる新しい芸術表現を追求する山口情報芸術センター[YCAM]。 アーティストの構想とその実現を担う専門性をもち、それらを地方から発信する視点と、地域の文化に対する眼差しとともに生み出された作品の数々は、世界各地で巡回を続けています。 本書では、開館から5年間にわたって制作・発信したオリジナル作品を中心に、YCAMの活動の全貌を紹介。視覚的な表現だけでなく、身体を使って体験する大規模なサウンドインスタレーションや、現実空間とネットワークが連動したプロジェクト、公募で集まった市民とゲストアーティストが協働して「メディア」「社会」「身体」というキーワードを掘り下げるワークショップは、情報社会への関心やリテラシーの普及、拡大を志向するYCAMのオリジナルプロダクションの大きな特徴といえます。 アートの現在が、新たなメディアを創出する技術とどのように関わるのか、テクノロジーと社会との関係に、どうやって批評的に対峙するのかーー。本書を通じ、メディアアートの「環境 environment」/「創発 emergence」/「公共性 common/open」のあり方を問いかけていきます。 【コンテンツ】 ◆参加アーティスト ダムタイプ(池田亮司、高谷史郎、川口隆夫)、doubleNegatives Architecture、ニナ・フィッシャー&マロアン・エル・サニ、三上晴子、市川創太、内橋和久、UA、渋谷慶一郎、池上高志、カールステン・ニコライ、勅使河原三郎、Study of Live works ばねと、白井剛、南琢也、真鍋大度、堀井哲史、齋藤精一、石橋素、照岡正樹、北村教子、ジャン=バティスト・アンドレ、青木孝允、松本典子、フィリップ・ドゥクフレ、江渡浩一郎、エキソニモ、ラファエル・ロサノ=へメル、藤幡正樹、クワクボリョウタ、ポール=アンドレ・フォルティエ ほか ◆インタビュー 坂本龍一、藤本隆行、岡田利規、アンドレアス・ブレックマン ◆エッセー 大友良英、佐々木敦、内野儀、阿部一直 ◆特別掲載 フォトドキュメント「展覧会ができるまで〜YCAMスタッフの視点から〜」 *本書は山口情報芸術センター[YCAM]とアートイットとの共同出版です。
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艾未未読本
¥3,080
中国政府による圧力のなか、なおも表現の自由を追い求める反体制芸術家、アイ・ウェイウェイ(艾未未)にまつわる本格的な研究読本。 艾未未読本 著・編集者:牧洋一 執筆者・翻訳者:牧陽一、ふるまいよしこ、麻生晴一郎、宮本真左美、栗山明、堀川理沙、石田留美子 発売日:2012年5月14日 言語:日本語 ページ数:386pp サイズ:210x149mm(ペーパーバッグ) アーティストだけではなく、キュレーター、建築家、出版人、詩人、都市計画家、さらにはブログやツイッターを駆使したメディア・アークティビストなどの様々な顔を持つアイ・ウェイウェイの研究読本です。 2009年には森美術館で個展を開催し、2011年にはインタビュー集『アイ・ウェイウェイは語る』が出版されるなど、その活動は日本でも多くの関心を集めています。本書はアイ・ウェイウェイと長年親交のある編集者の牧陽一はじめ、7人の研究者がそれぞれの観点から彼の人となりや作品を紹介。インタビューや本人書き下ろしのテキストも交えて語られます。 【著者略歴】 アイ・ウェイウェイ 1957年に詩人艾青(がいせい)の次男として北京に生まれる。1978年北京電影学院に入学。1981年から1993年の間に、ニューヨークのパーソンズ・スクール・オブ・デザイン等で学び、詩人ギンズバーグらと交友関係を持つ。2000年上海にて『不合作方式(Fuck Off)』展を開催。2003年頃からスタジアム《鳥の巣》の設計を担当。2008年四川大地震で発生した、手抜き建築による地震被害の責任追及のために犠牲者の名簿をブログ等に発表し、当局によってブログやツイッターを閉鎖される。2009年には森美術館で個展『アイ・ウェイウェイ─何に因って?』を開催。総じて民主と自由、人権を求める行動を持続し、メッセージ性を含んだ哲学的な作品をつくり続けている。2015年よりドイツ在住。
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SUZU:高木こずえ
¥2,090
ふと、故郷を撮ろうと思った。 超えていく時間、つながっていた場所。 これまでと、これからの。 ストレートフォトグラフィからデジタルコラージュまで幅広く手掛ける写真家、高木こずえによる第35回木村伊兵衛写真賞受賞後第一作のフォトブック。 SUZU:高木こずえ 著者:高木こずえ 発売日:2011年9月3日 言語:日本語、英語 ページ数:72pp サイズ:192x200mm(ペーパーバッグ) 2010年より長野を拠点に活動している高木は、本書の制作のために生後から6歳までを過ごした長野・下諏訪に100日間滞在し、撮影や取材を行いました。またタイトルにもなっている鈴(=『SUZU』)は古来より神に自分の居場所を告げるための道具としても使われてきたといいます。 「下諏訪での撮影は、過去の自分から届く鈴の音にそっと耳を澄ませるような日々であった」と高木が語ったように、自身の生家や日々ながめていたであろう景色、諏訪大社の伝統神事である御柱祭などを撮影するなかで、彼女は自らの感覚を形作った場所としての「諏訪」を再確認していきます。 【著者略歴】 たかぎ・こずえ 1985年長野県中野市生まれ。2007年東京工芸大学芸術学部写真学科卒業。東京工芸大学在学中の2006年に『キヤノン写真新世紀グランプリ』と『EPSONカラーイメージングコンテスト』準グランプリ受賞を機に、アーティストとしてのキャリアをスタート。2008年にはパリフォトをはじめ海外へも活動を展開した。2009年にTARO NASUにて個展『GROUND』を開催し、初の作品集『GROUND』と『MID』を同時刊行。次々に変化を遂げる潜在的エネルギーと多様な表現力が評価され、第35回木村伊兵衛写真賞(2010)を受賞した。主なパブリックコレクションに、府中市美術館、川崎市市民ミュージアムなど。
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Isaac Julien: Ten Thousand Waves
¥11,000
ポスト・コロニアリスムの作家として注目を集めてきたアイザック・ジュリアンが試みる新たなパラダイム転換とはなにか。中国を巡る長旅の記録。 Isaac Julien: Ten Thousand Waves 著者:アイザック・ジュリアン 発売日:2010年10月1日 言語:英語 ページ数:116pp サイズ:237x312mm(ハードカバー) 第17回シドニー・ビエンナーレ会期中の2010年5月に発表されたアイザック・ジュリアンの映像インスタレーション作品《Ten Thousand Waves》をアーカイヴした写真集。2004年にイギリス北西部モーカム湾で起きた中国人不法移民の事故をモチーフに、カンフー映画の映像、共和国時代の古典作品、ガイド映像、ドキュメンタリーなど、さまざまな「レディメイド」を並べ直して構成。本書ではその展示風景や象徴的なショットの数々が収められています。 また、本書刊行当時の2010年にアートイットが行なったインタビューと、キュレーターの高士明が《Ten Thousand Waves》に寄せた考察を、アートイットウェブサイトにて公開中。本書と併せてご覧ください。 ▶︎アイザック・ジュリアン インタビュー https://www.art-it.asia/u/admin_ed_feature/xychtaerhok1pgq23tue ▶︎アイザック・ジュリアン エッセイ:ほどけないもつれ アイザック・ジュリアン『Ten Thousand Waves』についての考察 https://www.art-it.asia/u/admin_ed_feature/u7VFzv8ce3sHZ21WGMbT